授業で洋食の”ナージュ”について学びました!

授業で洋食の”ナージュ”について学びました!

皆さんこんにちは

福岡県小郡市にある平岡調理・製菓専門学校 調理師科です

 

今回は2年生の応用調理実習の様子を見学してきました

応用調理実習は、調理実習のように料理のレパートリーを増やす授業ではなく、1年次に習った基礎的調理法からグレードアップした応用的調理法を習う授業です

今回授業で習っていたのは、ナージュという料理です

 

「ナージュ」って皆さん聞いたことがありますか?

あまり耳にしない言葉だと思いますが、“ナージュ”はフランス語で“泳ぐ”水泳“といった意味を表します

それを料理にすると、「液体の多く入った料理を表すことになります

 

では実際に学生が作っている様子を見てみましょう

ナージュを行うにあたり必要になのが「クールブイヨン」と呼ばれるベースの出汁です

▲これは火にかけ始めた所です

“クール”“短い”という意味です

ブイヨンは通常長い時間をかけとっていくのですが、クールブイヨンは人参、玉葱、セロリなどの香味野菜と水、白ワインを合わせ、短い時間煮出して作るのが特徴です

魚介料理に使うと、魚介独特の臭み消しと風味づけの効果を得ることが出来ます

 

出汁を取っている間に野菜の下処理をしていきます

▲材料は人参・ズッキーニ・小玉葱・ライムです

ナージュの付け合わせは、複雑な切り方よりも輪切りの状態の方が主流です

煮崩れの心配が少ない人参などは“アンポルトピエス”と呼ばれる抜型で型取ると少し可愛く仕上げることも出来ます

今回は菊型のアンポルトピエスで抜きました

 

さて、付け合わせの準備が出来たらソースの仕込みに入ります

エシャロットと呼ばれる玉葱に似た西洋野菜をみじん切りにして白ワインと一緒に煮詰めていきます

▲エシャロットのみじん切り

1年生の頃から基礎調理実習で繰り返し練習をしてきたので、今では早くきれいに切れるようになりました

 

フランス料理のソースは煮詰めの作業がとっても大事なんです

煮詰めの作業が甘いと完成した時に水分の多いサラサラのソースに仕上がってしまいます

そうなってしまうと味に深みやコクが無いので美味しくありません

今回はエシャロットに白ワインの香りや味を充分に吸い込ませることで味がまとまります

▲煮詰まってエシャロットが白ワインを吸いこんできました

弱火でしっかり煮詰めることがポイントです

 

その中に火にかけておいたクールブイヨンを濾して注ぎ入れ、魚介類の火入れをしていきます

今回は“ポッシェ”という火の入れ方を学びました

“ポッシェ”とは沸騰状態の中で火入れを行うのではなく、80℃~90℃の温度帯を保ちながらゆっくりと火入れをする方法です

具材に必要以上に火を入れないようにすることが重要です

そうすることで素材が硬くなったり、パサついたりせず、旨味を閉じ込めてジューシーな状態で仕上げることができます

▲ポッシェ中魚介には塩胡椒で下味をつけています

火がちょうどいい感じに入ったら取り出し、乾燥しないようにラップをしっかりはっておきます

 

別鍋にクールブイヨンを確保しておき、付け合せの野菜の火入れを行っていきます。

▲沸かさないようにゆっくり火を入れることが重要です

付け合せはこれで待機します

魚介をポッシェした煮汁は半量になるまで煮詰めます

ここでソースを半量しか煮詰めないのにもしっかり理由があります

ナージュは“泳ぐ”といった意味があるように、ここで煮詰めすぎてしまうと水分がなくなり、ナージュとして成立しなくなってしまいます

 

液体が半量になったら最後に無塩バターを徐々に溶かし込みながらソースの完成になります。

ラップをかけて保温しておいた魚介からも美味しい出汁が出るのでそれもソースに加えるとより美味しくなりますよ

▲最後に綺麗に盛り付け、ライムの実と皮を添えて完成です

▲学生もあまり食べた事の無い味だったという感想が多く見られました

 

ナージュはとても昔からある古典的な料理です

今回はシンプルな仕上がりでしたが、様々な応用が出来きます!

今後の調理の幅がまた広がりましたね

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